白滝村での高規格道路
将来の遺跡公園化を目指して白滝村が買い上げる
1995年5月、白滝村での高規格道路建設に先立つ大規模調査がスタートした。
白滝村を通るルートは、旭川からオホーツク海の紋別をつなぐ自動車専用道路で、難所の北見峠付近の工事が先行して進められていた。
1993、1994年に北海道教育委員会と白滝村教育委員会によって進められた。
白滝は旧石器時代遺跡の銀座ということが、改めて確認された。「世界の白滝」と交通の難所北見峠の解消のどちらを選ぶのかという状況になった。
工事の前面中止は不可能で、又20haの発掘調査は数十年規模になることも予想され、単純な二者択一という形では進められなかった。
その結果、大規模遺跡が集中する奥白滝・上白滝地区の延長2kmについて山側へのルート変更。しかし、新ルートにおいても調査が必要で、その調査が1995年から北海道埋蔵文化センターと白滝村教育委員会によってスタートした。
保存された旧ルートの遺跡はその周辺も含めて国指定史跡となり、既に指定されている「白滝遺跡(白滝第13地点遺跡)」
と合わせて「白滝遺跡群」と名称を変更し、その面積も約22万uとなり、将来の遺跡公園化を目指して白滝村が買い上げることとなった。
昨年までの6年間に北海道埋蔵文化センターが調査した遺跡は12ヶ所。
新北海道古代史―1 旧石器・縄文文化(野村 祟 宇田川 洋編)
白滝30地点遺跡
一般国道450号(旭川・紋別自動車道)は旭川市を始点として比布町から紋別市に至る延長約130kmの路線として建設が進められ平成14年3月には浮島ICから白滝IC間(19.8km)が開通している。国道333号線は、内陸部を横断する中央道路として明示24年に開通し、北海道開拓に寄与した。しかし、中央道の開削には多くの囚人が使役され、起伏の激しい北見峠を含む上越〜網走間(170.5k)では211名もの犠牲者を出している。
現在でも地域の幹線として機能しているが、北見峠をはじめとする曲線の続く線形、冬季の気象障害による通行止めなど、定時制、高速性を妨げる様々な課題を抱えている。
旭川・紋別自動車道は、これらの諸問題を解決し、港湾・空港への移動時間を大幅に短縮し、地域の生活や経済活動の原動力となるものと期待されている。
遺跡は今後どのように活用したらよいかを村の中で協議する中、白滝の最大の特徴は何なのかという話の中で、村内には遺跡が93ヶ所ほどあり、それらを今から二万五千年前から一万年前くらいの旧石器時代の遺跡なのだが、それが白滝村の黒曜石産地の特徴であるということです。
白滝産の黒曜石は道内の遺跡から数多く出土している。時代にしても白滝村内では旧石器のものが多いが、縄文時代以降の遺跡についても、白滝産の黒曜石が分析され、多く見られます。
村内を東西に湧別川が流れており、その湧別川の河岸段丘上、小高い丘の上に大半の遺跡が分布している。八号沢川と湧別川の合流点付近、村内で言うと奥白滝と呼んでいるところです。国指定史跡です。村内でも遺跡が集中する地域です。
更に幌加湧別川と湧別川の合流点付近も遺跡は多く分布している。この八号沢川、幌加湧別川の上の方に、赤石山と呼ばれる黒曜石の原産地で。
(環オホーツク海文化の集い、報告会より抜粋)
赤石山